大好きだった人が旅立ってしまった
86歳
ほんとに小さな頃
ねぇかあちゃんが大きく両手を広げ
「ほら!ここまで飛んできな!」って
少し離れたところから、宙を飛びねぇかあちゃんの腕の中へ
それが楽しくて、何度も何度も飛んだ
私が飽きるまで、それは繰り返された
ねぇかあちゃんから、終わりを告げる言葉はなかった
小学生になると、バドミントンヤオセロで遊んだ
手加減なし
私が勝てるようになると、それはそれは褒めてくれた
中学生になっても
高校生になっても
大学生になっても
その時々の私の話を楽しそうに聞いてくれた
「かおるの話は面白いな~」と言いながら
しかし、そんなに面白い話が出来る私じゃないのに
饒舌になったのは
あなたが話を引き出し、膨らませてくれるのが上手だったから
娘の出産で実家にいた時も
毎朝私の息子を迎えに来てくれて、おんぶして
小学校までお散歩してくれた
今年の秋彼岸、体調を崩してると聞いて会いに行った
ハンドクリームを持って・・・
その働きぬいた手で、私を可愛がってくれた
その手を、どうしてもマッサージしたかった
枕元に行くと、いつもの笑顔で迎えてくれた
か細い声にはなったが「よく来てくれたな」と
手をマッサージすると、気持ち良かったのか寝てしまった
帰る時「また来るね」と言うと「またはないわ」と
ほんとにその通りになってしまった
ねぇかあちゃん、心からありがとう♪
たくさんたくさんありがとう♪
「そんなこと言っちゃって!」って
笑いながら返事するんだろうな
いくつもの言葉が耳の奥でこだまする・・・